フィルターバグ素材一覧
- 当社では、フィルターバグとして用いられる素材の全てについて、供給できる体制を整えております。
素材 | 常用最高温度 | 瞬間最高使用温度 | 耐酸性 | 耐アルカリ性 | 備考 |
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ポリプロピレン | 90℃ | 110℃ | ◎ | ◎ | 耐薬品性は極めて強い。 酸化還元剤に対しては問題有り。 |
ナイロン(6.66) | 100℃~120℃ | 130℃ | △ | ○ | 鋳物砂やセメント関係など磨耗性の強いダストの集じんに多く使用される。 |
アクリル | 120℃~140℃ | 140℃ | ○ | ○ | 耐湿熱性に優れ、化成肥料、石炭調湿等の現場で多く使用される。 |
ポリエステル | 130℃ | 140℃ | ○ | △ | 活用範囲が広く、最も汎用的な素材。高温多湿の雰囲気で加水分解を起こすので、注意が必要。 |
PPS | 170℃ | 190℃ | ◎ | ◎ | 耐薬品性に極めて優れ、石炭、バイオマスボイラーで多数実績有り。 |
アラミド | 180℃~200℃ | 220℃ | △ | ○ | アスファルトプラント、キューポラ炉など、燃焼ガス集じん現場で多くの実績有り。但し、酸性雰囲気での使用には注意が必要。 |
ポリイミド | 200℃~220℃ | 240℃ | ○ | △ | 集じん効率が高く、製鉄、セメントの集じんで多くの実績有り。 |
PTFE | 230℃~250℃ | 260℃ | ◎ | ◎ | 耐薬品性が極めて安定しており、都市ゴミ・産廃焼却炉で多数の実績有り。 |
ガラス | 250℃ | 280℃ | ○ | △ | 耐熱性が極めて安定しており、都市ゴミ・産廃焼却炉で多数の実績有り。 |
※数値については参考値であり、保証値ではありません。
PPS|プロコン®(PPS繊維)
プロコン®は、東洋紡が開発したポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維で、優れた耐熱性、耐薬品性を有しています。プロコン®は高温時の耐薬品に優れ強度劣化を除くほとんどの酸・アルカリ・有機溶剤に耐えます。異形断面の細デニール品を銘柄に加えさらに高集じん効率が期待されるフィルター素材となりました。
※プロコン®は東洋紡の登録商標です。
特性
- 耐熱性(170℃での連続使用が可能)
- 耐薬品性(PTFEに次ぐ耐薬品性があり、高温・高圧下でも加水分解を受けない)
※数値(グラフ)については参考値であり、保証値ではありません。
- ろ過性(異型断面の細デニール品を加工、高集じん効率を実現)
プロコン®異型断面
プロコン®丸断面
- プロコン®(PPS繊維)の燃焼ガスは、窒素酸化物や硫黄酸化物が主成分です。
そのため、通常のごみと一緒に焼却することが可能です。
ポリイミド|P84
P84は、世界で唯一エボニックファイバーズ社が生産するポリイミド繊維です。高温域の熱安定性が高く、また優れた耐薬品に加えて、異型断面繊維由来の優れたろ過性を有する為、長いバグ寿命を実現します。高温バグフィルター分野には最適な素材です。
特性
- 耐熱性(200~220度での連続使用が可能)
- 耐薬品性(高温下でも高い耐酸性ガス性を持つ)
- ろ過性(異型断面「繊維表面積が大きい」による優れたろ過性を有する)
※数値(グラフ)については参考値であり、保証値ではありません。
- P84の燃焼ガスは、窒素酸化物や硫黄酸化物が主成分です。
そのため、通常のごみと一緒に焼却することが可能です。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は有機繊維の中で耐熱性が最も高く、極めて高い耐薬品性を有しており、撥水性、剥離性に優れた材質です。
特性
- フィルム状に圧延したPTFE樹脂をスリットした糸から構成されており、繊維断面が異型である為、ろ過性能、捕集性に優れている。
- 特殊な表面樹脂処理(Membratex®)を施しているので、ダストの離型性に優れている。
- ホットストレッチ(高温時の伸び)を1%以内、熱収縮率を2%以内に抑えているので寸法安定性が良い。
PTFEとPTFE/ガラス混入タイプの集じん試験結果
測定項目 | PTFE(ホワイト) | PTFE/ガラス |
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入口ダスト濃度 [g/m3] | 2.0 | 2.0 |
出口ダスト濃度 [g/m3] | 0.000096 | 0.000345 |
集じん効率 [%] | 99.9952 | 99.9828 |
新品時通気性 [(cm3/s)/cm2] | 8.7 | 13.5 |
試験後通気性 [(cm3/s)/cm2] | 6.1 | 4.2 |
通気性低下度 [%] | 30% | 69% |
ダスト付着重量 [g/m2] | 65 | 191 |
パルス回数 [回] | 13 | 19 |
テスト条件
- ろ過速度(V)=2.5[m/min]
- 入り口ダスト濃度=2.0[g/m3]
- ろ過面積(A)=0.643[m2]
- パルス制御方法=圧損制御(1000Pa到達時)
- ろ過風量(Q)=1.6075[m3/min]
- ダスト払い落とし方法=パルス圧力(圧力:0.15[MPa], 間隔:1[sec], 噴射時間:0.1[sec])
- 試験粉体=JIS試験用ダスト10種(フライアッシュ=超微紛):50%粒径=3~4[μm]
※数値(グラフ)については参考値であり、保証値ではありません。
ガラス|ユニチカ株式会社製ガラスクロス
ユニチカ株式会社のバグフィルター用ガラスクロスは、ガラス繊維の製造から製織・表面処理までを厳しい管理体制のもと、一貫生産を行っております。また、ガラスフィルターバグは耐熱性・耐酸性・寸法安定性に優れております。
特性
- 耐熱性(230~250度での連続使用が可能)
- 寸法安定性
ガラス繊維 (Eガラス) |
ポリエステル (フィラメント) |
フッ素繊維 (PTFE) |
アラミド (メタ系) |
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伸度3~4% | 20~32% | 13% | 12% |
※ユニチカ株式会社カタログ値より
※測定平均値であり保証値ではありません
ガラスクロスの種類
ガラスクロスに表面処理を施すことにより、柔軟性・耐折れ性・耐熱性・撥油性・撥水性・ダスト剥離性を向上することができます。
- ●綾織
- たて糸とよこ糸が1本毎に交差せず、はっきりした斜線がみえる密度の高い織り方。
- ●朱子織り
- たて糸とよこ糸が1本毎に交差せず、表面が平滑に仕上がる。綾織より柔軟性が高い。
- ●二重織り
- よこ糸が上下1本毎に入る。太い糸で密度を高くできる。